普段何気なく使っているバリアフリーという言葉ですが、意味を知っていますか？バリアフリーは障害や障壁、境がないといった意味合いを持ちます。身体や年齢的な特徴などの障壁(バリア)を取り除き誰でも過ごしやすい環境を整えるといった意味で使われます。今回はバリアフリーや介護などを意識したリフォームのポイントについて解説します。
バリアフリーリフォームの基本ポイント
家を建てた際には家族が皆若く、問題なく過ごせていたかもしれません。しかし、年月が経つにつれて家族の状態も変わってくるでしょう。高齢者や要介護者、障がいのある方、小さな子どもなどさまざまな方が過ごしやすい家にできるよう、バリアフリーリフォームを考えたリフォームをおすすめします。
家の中の危険をなくす
高齢者がけがをするのは家の中が多いことがわかっています。また居間や階段、キッチン・ダイニングなどでけがが発生しやすいです。
そのため、けがをする不安があったり将来的に不安な個所が多かったりすれば、家の中の危険をなくすようバリアフリーリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
日本の家は断熱性が低く、室温差が原因でヒートショックを起こす可能性が高い環境にあります。室温差が気になる場合は、内窓を設置する、断熱材を追加する、床暖房を設置する、暖房器具を設置するなど温度のバリアフリーを考えたリフォームを行うのがおすすめです。
ほかにもキッチンをIHクッキングヒーターにし、オール電化にすることで高齢者や小さな子どもがいても安全性の高いキッチンにするといったリフォームもよいでしょう。
体の負担を軽減する
若い方、元気な方しかいない場合は問題なく暮らせていた家でも状況が変化すれば体に負担がかかるかもしれません。そういった場合は、バリアフリー対応のリフォームが必要です。
古い家によくあるのが段差です。何気ない段差は高齢者や小さな子ども、体が不自由な方にとってつまずきやすく、けがの原因になったり移動するのに体に負担がかかったりします。
そのため、段差をなくすか手すりを設置するなどのリフォームを行いましょう。座ったり立ったりすることが多いところには手すりを取りつけることで、体への負担が軽減されるだけでなく、手すりを使う方が自立して生活しやすくなるでしょう。
介護リフォームで重視すべきポイント
介護リフォームは被介護者、介護者や家族などが生活しやすいように行うリフォームです。バリアフリーリフォームと重複するところもありますが、どのようなところを重視するべきか解説します。
症状に合わせたリフォームを行う
手すりをつけたり段差をなくしたりと安全性を高めたリフォームを行うのはバリアフリーリフォームと同じですが、介護を重視したリフォームを行う場合、被介護者の症状をふまえたリフォームを行うのがポイントです。
視力が低下している場合は手すりの設置や段差解消などの工事を重点的に行いましょう。家の中を整理してものを少なくする、床にものを置かないといった配慮も必要でしょう。
車いすを使う場合はより整理して床面積を広くするほか、車いすを利用しやすく邪魔にならない手すりの位置を考える必要があるでしょう。聴覚の低下がある場合は遮音性や吸音性の高い床や壁にするといったリフォームが必要です。
記憶障害や判断力が低下している場合は混乱や錯乱しにくいよう、無地の壁や床に変更するといった配慮も必要でしょう。
リフォーム計画の立て方と進め方
リフォームを行う際はどのように計画を立てて進めていったらよいかわからない方もいるでしょう。進め方について解説します。
介護保険の補助金を使うには事前申請が必要
介護リフォームは条件を満たせば補助金が活用できます。しかし工事がスタートする前、事前に申請しておく必要があるため注意が必要です。
補助金は償還払いが多いため、リフォーム費用は自分で支払い、あとで還付金を受け取る形になるので注意しましょう。また介護保険以外にも各自治体で助成金を支給している自治体もあります。自治体ごとに条件が異なるため内容を確認しておきましょう。
計画の立て方、進め方
バリアフリーや介護を考えたリフォームをする場合はケアマネージャーや福祉に詳しいスタッフと相談しながらケアプランを作成しましょう。次に保険者へ事前申請を行います。その後リフォームを行う業者に相談したり見積もりを依頼したりしていきます。
バリアフリーや介護リフォームの知識がある、実績がある業者だと相談しやすいでしょう。見積もりに納得できたら工事を進めましょう。自分で業者に費用を支払った後、保険者へ書類を提出し、還付金を受け取ります。
まとめ
家を建てたばかりのころは住んでいて家族全員が快適でも、年齢が上がってきた、高齢者や小さな子どもが増えた、体が不自由になったなどという方がいると家族全員が快適とはいえません。バリアフリーや介護に対応できるようリフォームを行う必要がある場合は、現状だけでなく今後のことも考えてリフォームをするのがおすすめです。家の中の危険をなるべくなくす、体の負担をなくすことで家族全員が暮らしやすいようリフォームで家の中を整えましょう。どんなリフォームがよいかわからない方は、ケアマネージャーやリフォーム会社に相談しながら計画を進めましょう。
